昭和のリビングを思い出すと、あの“ほんのり丸いテレビ”がポンと頭に浮かぶ。
薄型テレビに見慣れた今、改めて考えると「なんで画面が丸かったんだろう?」って少し不思議。
実はあの形、デザインではなく技術的な理由があったんだ。
そもそもブラウン管は“丸いガラスの管”からできていた

ブラウン管(CRT)は、電子ビームをガラス管の奥から前面の蛍光面に向けて飛ばし、光らせて映像にする仕組み。
このガラス管そのものが
・強度を保ちやすい
・内部の真空状態に耐えられる
という理由で「丸い形」に近い構造になっていた。
四角く削ってしまうと、真空に耐えられず割れやすくなる。
だから初期のテレビは、ガラスの構造的に“丸いほうが作りやすい&壊れにくい”という事情があった。
電子ビームが隅まで届きにくい問題
ブラウン管は電子ビームを一点から放射状に飛ばして映像を描く仕組み。
ところが四角い形にすると、四隅はどうしても距離が遠く、ムラが出やすくなる。
つまり
・線がゆがむ
・明るさが均一にならない
という“当時の技術では避けにくい問題”が発生する。
四角よりも丸みがあるほうが、電子ビームが届く距離の差が小さくて済んだ。
これまた「丸いほうが映りが安定する」という理由につながる。
「角を切った丸い四角い画面」に少しずつ進化した
時代が進むにつれ、強度も電子ビームの制御技術も上がり、
・丸い → 角が大きく丸い → ほぼ四角
と徐々に進化していく。
昭和後期のテレビが“角の丸い四角”なのはその名残。
完全な四角になったのは、フラットブラウン管が登場して以降。
そのあと液晶テレビが普及して、ついに「完全フラットの四角」が当たり前になったわけだね。
丸い画面は“昭和らしさ”の象徴でもある
丸みのあるテレビって、不思議と優しい雰囲気がある。
厚みのある本体、ダイヤル式のチャンネル、木目調の枠…。
あの時代のリビングの空気ごとセットで思い出されるアイテム。
“丸い画面=技術的制約”だったはずが、気づけば「昭和感」の象徴になっているのがおもしろいところ。
小さなまとめ
ブラウン管テレビの画面が丸かったのは
・ガラスの強度
・真空に耐えるための形状
・電子ビームの特性
この三つが組み合わさった“技術の都合”だった。
でもいま見ると、あの丸みにはどこか温度がある。
昭和のテレビは、ただの家電じゃなくて「一家をつなぐ光の箱」だったのかもしれないね。
